(景品表示法上の表記)記事内のリンクには広告が含まれる場合があります。

ドラマ

【極悪女王】ミゼットプロレスってなに?

こんにちは。

今回は、「極悪女王」で少しだけ登場するミゼットプロレスについてまとめます。

ミゼット=小さい人

ミゼットとは小型とか小さいという意味がある言葉で、転じて小さい人という意味でも使われるようになりました。

もともとは英語で「midget」と表記しますが、小人という意味が差別的または侮蔑的だという認識が浸透しており、アメリカでは小さい人を形容する言葉としてはほとんど使われていません。

現在の日本ではダイハツの車に「ミゼット」という名前の車があり、そちらの方が一般的かもしれません。

しかし、極悪女王のシーンで出てくるポスターや看板にある「ミゼットプロレス」という表記は文字通り「小人のプロレス」といった意味合いがあります。

女子プロレスの前座で人気だったミゼットプロレス

ミゼットプロレスは昭和の時代に人気を博したプロレスのジャンルです。アメリカで小人症の人達による取っ組み合いを面白おかしく見せるショーがあり、それがミゼットプロレスの発祥とされています。

日本では1960年代にアメリカのミゼットレスラーを招いて興行を行ったのが最初で、その後、日本でも独自に発展しました。

ミゼットプロレスの特徴

ミゼットプロレスは低身長の人たちが出場するプロレスです。

低身長であってもレスラーですから運動能力が高い人が多く、スピード感ある動きや高いジャンプ力など、力強い動きは見ごたえがあります。極悪女王に登場する長与千種さんご本人も「小人プロレスの技は美しい」と評価しています。

また、試合が格闘技の側面を持ちつつも、観客を楽しませるショーマンシップあふれる内容になっているのも特徴的です。レスラーたちは独自のキャラクターやパフォーマンスで観客を笑わせることを大事な役割ととらえており、「自分達は笑われているのでは無い、笑わせているんだ」という意識で試合に臨んでいたといいます。

女子プロレスとセットになっていた

「極悪女王」を観てもわかるように、ミゼットプロレスは全日本女子プロレスとセットで興行されていました。

しかも、全日本女子プロレス旗揚げ時はミゼットプロレスがメインだったようです。要するに、女子プロレスが前座で試合をし、メインでミゼットプロレスが観客たちを笑わせたり唸らせたりしていたということです。

全日本女子プロレスで女子プロレスをメイン興行にしたのはマッハ文朱やビューティーペアの登場以降だと言われています。

ミゼットプロレスの衰退

かつては女子プロレスとセットで人気を博していたミゼットプロレスですが、ミゼットという言葉や身体的な特徴を強調したようなパフォーマンスが差別を助長すると批判されるようになります。人気があったことからテレビのお笑い番組にミゼットレスラーが出演することもありましたが、放送後にクレームが入るなどしためにあまり積極的には起用されなかったみたいです。

ミゼットレスラーの戦いが秘匿されたのは、笑わせる芸も交えたコメディ路線に対し「低身長症を笑いものにするのは可哀想だ!」というズレたクレームが入ったためです。

~中略~

選手の一人であるミスター・ポーン氏は、怪物番組「8時だョ!全員集合」に出演する運びとなった折にこれをミゼットプロレスにとって捲土重来の機会であると捉えていました。計算とリハーサルを重ねた末、無理のない最良のパフォーマンスで会場を沸かせ、成功したように思えました。しかし、「見世物のようでかわいそうだ!」というクレームが殺到したため、ミスター・ポーン氏の出演は数回で終わり、ミゼットプロレスの地位向上も叶いませんでした。

~中略~

ミゼットプロレスに詳しく、レスラーとも実際に何度も会っている高部雨市氏はこれらのクレームを振り返り、「『可哀想』などと一見同情的な言葉は方便で、本音では低身長症の人々を見たくないと思っている。見せかけのヒューマニズムだ。」と述べています。

引用:ミゼットプロレスの興亡~知名度を抑えた見せかけのヒューマニズム

さらにミゼットプロレスを担うレスラーの数も年々減少したことでミゼットプロレスは衰退していきました。

極悪女王には本物のミゼットレスラーも登場

現在、日本にミゼットレスラーは2名しかいません。ミスターブッダマンとプリティ太田さんです。

極悪女王にはこのお2人も登場しています。特にプリティ太田さんは役者としての活動もされているので要所要所で重要な役を演じておられます。

まとめ

ミゼットプロレスは昭和期の日本プロレス界では非常に人気があり、女子プロレスを見に行く動機の一つにもなっている人も多かったはずです。

若い人はその存在自体を知らない人も多いでしょうが、極悪女王のような話題のドラマの中できちんと取り上げられているのはさすがNetflixだと言えるのかもしれません。

 

 

 

 

-ドラマ