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ドラマ

【地面師たち】なぜ殺す?ハリソン山中とリアル地面師の流儀の違い

こんにちは。

今回は、「"地面師たち"の作中ではなぜ殺すの?」というテーマで考察します。

ハリソン山中はなぜ殺す?その理由

ドラマ「地面師たち」の中で、ハリソン山中は何人かの人を直接、あるいは間接的に殺しています。

殺す対象となる条件は以下の2点だと考えられます。

  • 詐欺の実情を知っている
  • ハリソン一味の外側の人

どちらかだけではなくて、どちらも該当して初めて消される対象となります。少し詳しく解説します。

詐欺の実情を知っている

ハリソンの描いた計画通りに立ち回って詐欺を遂行した人達、ハリソングループではないがハリソン達がやったに違いないと思っている人達が該当します。

まず、ハリソンの描いた計画通りに立ち回って詐欺を遂行した人達について。

ハリソンの詐欺に加担した人は実情をよく知っています。メンバーの顔と名前、それぞれの役割分担や実際の動きなど、こと細かに証言することが可能で、うかつに口外されるとやっかいです。警察に密告はしないかもしれませんが、うっかり口を滑らせてそれが警察に漏れて、、、という展開は十分ありえます。1話の佐々木老人なんかお酒が入れば自慢げに話しそうですよね。なので消される。

次にハリソングループではないがハリソン達がやったに違いないと思っている人達。

キャラクターとしては元地上げ屋の林や捜査2課の下村が該当します。これらの人達は動き方次第でハリソンが実行しようとしている取引に実害が出る可能性があります。

林がもし警察に密告したら?下村が石洋ハウスとの取引現場に乗り込んできたら?

取引自体がつぶされてしまうと何億というお金を取りっぱぐれるだけでなく警察にも捕まるリスクが高まります。なので消される。

ということではないでしょうか?

ハリソン一味の外側の人

詐欺の実情を知っているだけでは殺されるとは限りません。ハリソンにとって、「こいつは大丈夫」と思われているうちは消される対象とはならないわけです。というわけでハリソン一味の内側にいる間はとりあえず大丈夫です。

しかし、ハリソングループの外に出てしまうと一気にレッドラインを超えてしまいます。いつ口外されるかわからないので「死人に口なし」ということで消されます。

もっとも、ハリソン一味の内側にいると思っていても、ハリソンは信用しているわけではありません。1話の終わりに、ハリソンが拓海に「彼ら(後藤・竹下・麗子)には油断しないでください。私が信用しているのはあなただけです。」と伝えるシーンがあります。特に竹下に対しては、殺すタイミングを見計らっていたような描写がありますよね。

リアル地面師は殺さない

ハリソン山中は実在の大物地面師をモデルにしたキャラクターだとされています(詳しくはこちらにまとめています⇒ハリソン山中の実話モデルは?積水ハウス事件で逮捕!

しかし、リアル地面師について調べて分かったのですが、本当の地面師たちは殺人はしないものだそうです。

なぜか?

それは、捕まった場合の服役期間が長期間に及んでしまうからです。

基本的に、リアル地面師たちは詐欺を働いた後に逮捕、収監されることも最悪のケースとして想定しているのだとか。

もし収監されたとしても「懲役が終わって放免となったらだまし取ったお金で贅沢三昧の暮らしができるぜ!」といったことのようです。そのために、だまし取ったお金は日本の警察の捜査が及ばない国や仮想通貨などに退避させておく。ということみたいです。

そういえば「地面師たち」の中でもそのような説明がありましたね。2話で下村刑事がマイクホームズの真木にお金はおそらく戻ってこないという説明をするくだりです。

殺人をしてしまうと懲役が長引くだけでなく、場合によっては無期や死刑もありえますし、遺族からは強い恨みも買うことになります。つまり、地面師たちにとっては割に合わないということになります。

ではなぜハリソン山中は殺しを繰り返すのか?

となると、「地面師たち」でハリソン山中が殺しを繰り返す意味が分からなくなってきます。普段はあんなに論理的なのに。

思うに、リアルの地面師詐欺のエピソードだけでも良かったけども、もうひとひねり欲しかったということなのかもしれませんね。

企業を騙して巨額のお金を盗ってドロンするというだけではなく、主犯格のハリソンにはサイコパスという人格と殺人にエクスタシーを感じるという性癖を与えることで作品の強烈なスパイスとする。このスパイスのおかげで「地面師たち」にはどこか「羊たちの沈黙」のような雰囲気も漂うわけです。

リアル地面師の理屈には合わない殺人も、変態気質なハリソン山中がやるから思わず見てしまう、といったことなのかもしません。

どうかな。。。

 
「地面師たち」原作本はこちら。

地面師たち (集英社)
新庄 耕(著)

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リアル地面師の話はこちら。

地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団
森 功(著)

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単行本1760円
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なお、audlible版だと0円で視聴可能です。

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