『君への誓い』(THE VOW)は2012年のアメリカ合衆国の恋愛映画です。公開時には全米1位の興行成績を記録しました。
実話をもとにしたこの映画は、キムカーペンターさんとクリキットカーペンターさん夫婦がモデルです。
日本ではアンビリバボーでも取り上げられています。それだけドラマチックな話です。
『君への誓い』の名言・名シーン・印象に残った言葉
瞬間の積み重ねが自分を定義する
前半に出てくるレオのナレーション。記憶が重なり自分というものが確定してくるが、記憶をなくしてしまったら・・・?というような問いかけ。
もう一度妻を射止める
再びペイジとの生活を取り戻そうとするレオの言葉。
一緒にいる運命なら乗り換えられたはずだ
絶望に打ちひしがれたレオの言葉。
家族に囲まれてたら本当の自分は見つからない
後半のペイジのセリフ。ある事実を知ったことでペイジは再び自立を強く意識するようになる。
『君への誓い』の感想
まずは感想から。
一言で言えば「良かった~」ですが、それではあれなので、いくつか思ったことを書いておきます。
感想その1
2回見た方がいい
このドラマは、ハリウッド映画によくあるタイプのハッピーエンドではありません。なので最初見たときは「そこで終わるの?」みたいな思いも若干。。。
しかし、2回目を観ると主人公たちの思いを汲み取ることもできて、「あー、なるほどそういうことか」っていう思いも湧いてきて、私は1回目よりも2回目の方が断然感動しました。
もちろん最初からいろんな伏線や登場人物たちの思いを汲み取ることができる人は1回で十分かもしれませんが、何となく良かったなという抽象的な感想しか湧いてこない人は2回目をお勧めします。新たな発見があるはずです。
感想その2
レオかわいそう・・・
記憶をなくしたペイジもかわいそうですが、すべての記憶がなくなったわけではありません。昔の記憶ははっきりしています。
大好きな家族と大好きな婚約者(ジェレミー)、そして親友たち。記憶がない直近の何年間かはそれらの人たちとは疎遠になってましたが、そこの記憶はないわけですから意識することもありません。ということは、家族の元に戻れば思い悩むことなく暮らすことができるわけです。
しかし、そうしたくても目の前には記憶にはない夫、レオがいる。「なぜあなたがいるの?」状態です。別の言い方をすれば、レオが目の上のたん瘤状態なわけで、そういう状態でペイジやその取り囲みの人たちと接しなければならないレオは見ていてちょっとかわいそうでした。
感想その3
ペイジの変化がわかりやすい
物語の中で、ペイジには3つの顔があるような気がしました。
一つはレオと出会って結婚、事故にあうまでの顔、
もう一つは記憶喪失後に出てきた、家族と仲良く暮らしていたころの顔、
そしてもう一つが物語の終盤、自分がなぜ大好きな家族から離れていったのか、その原因を知ってから後の顔です。
一つ目の顔と三つ目の顔は違いますがそう大差ありません。しかし、二つ目の顔はレオが知っているペイジではありませんでした。何か、表面的な、華美な感じに惹かれる思春期の少女のような顔をのぞかせ、レオもやや困惑するシーンがいくつかありました。もし、この頃に二人が出会っていたなら、恋仲には進展しなかったことでしょう。
『君への誓い』キャスト
ペイジ・コリンズ - レイチェル・マクアダムス
ヒロイン。シカゴ美術館付属の大学の生徒。レオと結婚し幸せな生活を送っていたが追突事故で記憶喪失になる。すべてを忘れているのではなく、高校時代の友人や家族のことは普通に覚えている。直近何年間かの記憶がなくなっている感じ。
レオ・コリンズ - チャニング・テイタム
ペイジの配偶者。ペイジを心底愛しており、ペイジが記憶喪失になった後もあの手この手でペイジと昔の生活を取り戻そうと努力。録音スタジオ経営。
リタ・ソーントン - ジェシカ・ラング
ペイジの母親。
ビル・ソーントン - サム・ニール
ペイジの父親。法律家として成功しているが強引なところがある。レオのことは認めていない。ちなみにこの役者さんはジュラシックパークのグラント博士も演じている。
グウェン・ソーントン - ジェシカ・マクナミー
ペイジの妹。ライアンと婚約中。
フィッシュマン医師 - ウェンディ・クルーソン
ペイジの主治医。
リリー - タチアナ・マスラニー(山根舞)
レオが経営するスタジオのスタッフ。
カイル - ルーカス・ブライアント
レオとペイジ共通の知人。
ソニア
カイルの彼女。
ジェレミー - スコット・スピードマン(檀臣幸)
かつてのペイジの婚約者。
『君への誓い』のあらすじ概略
妻ペイジ・コリンズ、夫レオ・コリンズ、二人は仲の良い、結婚間もない夫婦です。
3月のある日、2人が外出した帰り道に彼らの車にトラックが追突、ペイジはウインドガラスを突き破ってボンネットの上へ投げ出されてしまいます。
幸い、レオもペイジも命に別状はなかったものの、ペイジは直近の何年かの記憶をなくしてしまってました。最愛の夫、レオのことも全く覚えてません。
厄介なのは、すべての記憶がなくなっているのではなく、高校時代のころまでの、家族と暮らしていた古めの記憶は普通に残っていること。
ペイジにしてみたら、目覚めたら病院のベッドの上であちこち傷だらけで、医者かと思った見知らぬ男が「自分が夫だ、また一緒に暮らそう」と言ってくる状況。混乱してしまいます。
一方、レオにしてみたら、やっと意識が戻った最愛の妻が自分のことを覚えてない。出会いや結婚までのいきさつ、結婚生活も仕事のことも友人たちのことも全部きれいさっぱり忘れてしまっている。
途方に暮れるレオですが、結婚式の時に誓った言葉、
「困難が二人を引き裂いても、再び結ばれる道を必ず探し出すことを魂にかけて誓います。」
の通りに妻ペイジの記憶を取り戻そうとあれこれ手を尽くします。
しかし肝心のペイジはどこの誰ともわからないレオよりも、家族との生活や、別れた昔の婚約者に惹かれて、、、
という展開の映画です。
実話をもとにしているのでこうした映画にありがちなハッピーエンドのパターンではでない点も割と斬新ではありました。
『君への誓い』ネタバレあらすじを途中まで解説
『君への誓い』の伏線やトリビア
冒頭、ペイジとレオが出てきたMUSIC BOXという看板の建物、あれはシカゴに実在する歴史ある映画館です。1929年オープンで、映画の上映の他、舞台にも使われているようです。
ウィキペディアより
物語が始まるのは3月
これもMUSICBOXシアターの看板からわかることですが、看板には
=========
SOUTHPORT FILM FESTIVAL
MARCH 6 TO 15
=========
と書かれてます。まぁ、どうでもよいですが。。。
手がかじかむ
物語の冒頭のシーンで、ペイジが手がかじかむというシーンが出てきます。
この手がかじかむというシーン、物語中盤にも出てきます
カフェ・ニーモニック(Cafe mnemonic)
このカフェは物語の中でちょくちょく登場してきます。
- ペイジとレオの初デートの場所
- ペイジとレオは結婚式誓いの言葉をここのメニューに書いていた
- 記憶喪失後のペイジとレオの初デートの場所
- 別れた二人が再会する場所
カットされる予定だったオナラのシーン
2人がまだ付き合っていたときのシーンでレオが車の中でオナラをしてしまうシーンがあります。
普通は「臭い!」とか言って窓を開けるところですが、ペイジは逆に開けてたウインドウを閉じてしまい、レオは「信じられないほど君を愛している。」とつぶやきます。
監督は当初、このシーンはイマイチと思ってカットするつもりだったそうですが、製作途上で観た人たちからの評判が良かったのでカットしなかったそうです。
ペイジも演者もベジタリアン
ペイジはレオと出会った頃には菜食主義者になっていましたが、ペイジを演じたレイチェル・マクアダムス自身も熱心なベジタリアンなんだそうです。