こんにちは、kuraです。
今日は今話題の「浅草キッド」を見たのでそのご紹介です。
柳楽優弥と大泉洋がうまい
柳楽優弥はやっぱり天才
この作品を見て何を"いの一番"に言うかとなると、やっぱり
柳楽優弥はうまいなぁ
です。
私みたいな素人が言わなくても、彼がお上手なのは大勢の日本人が認識してるとは思いますが、そうであったにしてもやっぱり「うまい!」と言わざるを得ません。
彼が演じるのは北野武。
立ち振る舞いもしゃべり方もちょっとしたしぐさも、クセの塊のような人です。
それをこの役者さんはあたかも分身にでもなったかのように演じ切ってます。
もちろん、たけしさんに寄せて演じるので、モノマネといえばモノマネなんですが、なんというか、演じてる感がホント少ないんですよね。
ずんぐりむっくりとした立ち姿やぼそぼそとしたしゃべり方、伏し目がちでシャイなところ、彼が普段からそういう感じなのかと思ってしまうくらいに自然に演じてます。
大泉洋との掛け合いも面白い
映画の中では師匠の深見を演じる大泉洋さんとの掛け合いがたくさんでてきます。
舞台の上でのコントや私生活での会話。
そのどれもがテンポよくすすみ、間であるとか調子であるとかが私にはとても心地よく、気がつけばどっぷりと映画の中に引き込まれてしまいました。
特に印象的だったのがコントの場面。
映画の中の一場面であるにもかかわらず笑ってしまいます。
2人の役者さんの演技がそれだけうまいってことなんでしょうね。
ヘタな若手芸人のコントよりかよっぽど笑えます。
深見の気風の良さ
2人の掛け合いがテンポよく進むのはやっぱり大泉洋さんの軽快かつ迫力のあるしゃべりによるところが大きいと思います。
そのしゃべり口調や立ち振る舞いは「ザ・江戸っ子」って感じ。
面倒見の良さや芸人としてのプライドなどが早口でハギレのよい話し方に乗っかってバンバン響いてきます。
実際の深見千三郎も舞台では機関銃のようにパパパパーンと勢いよくしゃべってたそうなので、大泉洋さんがうまいこと寄せてるのかもしれません。
もっとも、実際の深見は江戸っ子ではなく北海道出身だったそうです。
その辺も大泉洋さんと同じですね。
中年オヤジにはたまらない時代感
私は個人的に昭和40年前後から50年あたりまでの日本を舞台にした作品に妙に惹かれるんですが、この物語も舞台は1970年代の浅草。
所せましと立ち並ぶ商業ビルや雑居ビル、手書きの看板。
街ゆく人たちは洋服を着ている人が多いけど、「普段着が着物」って人もまだまだ多い、そんな時代です。
どことなく埃っぽくて泥臭い。
この「浅草キッド」はまさにそんな雰囲気を醸し出しています。
サクセスストーリーという感じは少ない
この映画はビートたけしさんの自叙伝「浅草キッド」を映画化したもので、たけしさんが"幻の浅草芸人"といわれる深見千三郎のところに弟子入りしてから深見千三郎が死亡するところまでが描かれています。
その間にたけしさんはツービートとして人気芸人になっていきますが、サクセスストーリーとして描かれているかっていうとそうではない。
タケ(たけしさん)と深見の人間模様がメインで描かれています。
売れっ子芸人を夢見るタケに、芸人としての在り方や心意気を教え込む深見。
芸事だけではなく、芸人としてあるべき考え方や立ち振る舞いをいろいろな言葉で叩き込んでいきます。
それはまさに深見イズムとでもいうべきもので、たけしさんも「"笑わせるんであって笑われるな"が頭から離れない」と振り返っています。
深見語録
「芸人なら芸で笑い取れ」
「俺んとこでやりてぇならな、笑われんじゃねぇぞ、笑わせるんだよ」
「芸人だったらいつでもぼけろ。」
「芸人ならいい服着ろ。舞台でバカやっても舞台降りたらカッコいいって言われるんだ」
「何が面白いか客に教えてやれ」
「芸人だよバカヤロー!」
言葉の一つ一つに人を引き付ける力強さや自身がみなぎってますね。
また、エンディングに流れる桑田佳祐さんの歌もとても映画と良くあってます。
どこかで聞いたっけというくらいに耳なじみの良い歌で、1回聞いただけでもメロディが頭の中で反復される感じです。
ネットフリックスで見られるので興味ある人はぜひどうぞ。