ゼロ・グラヴィティの名言やあらすじや感想など。

ゼロ・グラビティ

【あらすじや感想】宇宙が舞台。閉塞感へ恐怖と絶望感との闘い

これを見た感想を一言でいうと、

「地球ってえーな。」

です。

宇宙が舞台の映画はたくさんありますが、ここまで見る者に閉塞感や絶望感を与える映画はそうそうありません。これは恐怖ですらあります。

主人公はサンドラブロック演じるライアン・ストーン博士。

医療技師としてスペースシャトル『エクスプローラー号』に乗り込み、船外活動をしていた最中に大量の宇宙ゴミが飛来します。

宇宙ゴミといえば何となく小さくて軽いイメージですが、さにあらず。

実際は破壊された衛星の破片などです。つまり金属の塊。

それらが軌道上を高速で飛来してきて、彼女たちのシャトルをガンガンに破壊してしまいます。

考えてもみてください。

自分が宇宙で船外作業をしているときに戻るべきシャトルが粉々になってしまったら・・・？絶望感や恐怖感は半端ないです。

しかも、この事故により、同僚のシャリフは宇宙ゴミの直撃を受けて即死、シャトル内にいたほかのクルーも宇宙服を着用してない状態でシャトルが破壊されたために死亡してしまいます。

残されたのは同僚のマット・コワルスキー（ジョージ・クルーニー）とライアン・ストーンの二人のみ。

どうすんのこれ？

って状況にのっけから突入してしまいます。

ここから地球への生還を目指し、奮闘が始まるわけですが、何せ宇宙空間ですから思うに任せません。

当たり前ですが通りすがりの誰かが助けてくれるわけでもありません。

二人だけ。

しかもせっかく生き残ったマット・コワルスキーも・・・

という展開です。

それにしてもこの映画がすごいなと思うのは、サンドラブロックの演技や監督の演出です。

そもそも最初から登場人物は2人しかいません。いや、シャリフは遠巻きに少し見えますが、"乗組員A"的な扱いなので表情とかわかりません。作業終了に浮かれてマカレナを踊ってる姿が少し見えるくらい。

画面上では二人だけでストーリーは展開していき、そして最終的にライアン博士一人になってしまいます。

他に登場人物がいないわけですから見る側の意識はライアン博士、つまりサンドラブロックにずーっと向けられるわけです。

脇役が出てきてちょっと別シーンで休憩、なんてこともありません。ずーっと彼女が出ずっぱりです。

そんな中で宇宙空間に一人漂う絶望感や焦燥感をにじませつつも生きて帰還するために頑張るライアン博士を演じきったサンドラブロックはすごいの一言です。

演技が称賛されるのもごもっとも。

そしてそういう極めてシンプルなストーリーを観客を飽きさせることなく演出した監督の手腕もまた目立たないけど秀逸なんでしょうね。

ずっと宇宙空間が舞台だったために、最後、地球に帰還して水、土、樹木や生物が画面に出てきたときはこちらも詰まった息がすっと抜けたような安ど感を感じることができます。

ゼロ・グラビティの名言・名シーン

「宇宙なんか大嫌い」

トラブル続きで地球への帰還も困難を極め、絶望感の中でライアンストーン博士が言った言葉。ごもっともな感じです。

「私は死ぬのよアニンガ」
「人は誰であれ死ぬ運命だけど、私は今日死ぬのよ。」
「妙な気分ね。死を知るって。」
「でも正直に言うわ。怖いの。」
「ものすごく怖い。」

頼みの綱のソユーズも燃料切れで地球への帰還の道が絶たれたと思ったライアンストーン博士が言ったセリフ。

「必ず何か方法がある」

「ここは居心地がいい。すべてをシャットダウンし目を閉じ心を閉ざす。」
「傷つけるものはいない。安全だ。・・・生きる意味がどこにある？」

「もし戻るのならもう逃げるのはよせ。くよくよせずに旅を楽しめ。大地を踏みしめ、自分の人生を生きろ。」

宇宙に放り出されたはずのマットコワルスキーがなぜか再登場してライアンストーンに言った言葉。この言葉でライアンはダメ元の挑戦に挑むようになります。

「私の代わりに抱きしめキスしてこう言って」
「"サラはママの天使よ"と。」
「"私の大事な娘。自慢の娘ですもの。"」
「"ママは諦めない"と伝えて」
「"心から愛してる"」
「"とても愛してる"と」

マットの幻影のおかげでやる気を出したライアンが言った、マットへ向けての独り言。亡くなった娘への伝言をマットに頼むシーンです。

「地球へ還る（レッツゴーホーム）」

ライアンが中国の宇宙ステーション「天宮」へ向けてソユーズから飛び出る時の言葉。訳は「地球へ還る」ですが、英語のレッツゴーホームの方がかっこいいですね。

「このままいくと結果は二つしかない」
「無事に帰還し奇想天外な話を聞かせるか、10分後に焼け死ぬか」
「どっちだろうと、誰のせいでもない」

「結果がどうであれ、これは最高の旅よ」

地球へ向けて大気圏再突入をする際にライアンストーンが言った言葉。